ウィーン便り

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森野由みのウィーン便り

月に一回ですが、最近の様子をお届けします。皆さまからのご感想などをお寄せいただけると幸いです。なお、2015年までの「ウィーン便」は、下のボタンをクリックすると、ご覧いただけます。

8月のお便り

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親愛なる、みなさま

ビックリしました。

よく「こんなところで会うなんて!」なんてことありますよね?

旅行に行った先で、または広い東京で「ばったり」って。

この「ばったり」ってとても不思議だと思うのですけど、どうしてこんなことが起こるのでしょうね。

一体どんな力が働いているのでしょうか。

ウィーンは東京に比べれば、ちっぽけなので、「あら、こんなところで」ということ、割とよくあるのですが、それでも「時間の点」の上で起こることですから、ただの偶然ということで、片づけてはいけないかな、なんて思います。

先日、そのちっぽけなウィーンで、とあるちっぽけな建物の、思いがけない場所で、再会した方がいます。

私はいつものごとく、ぼんやりしていて気づきませんでしたが、あちらが気づいて声をかけてくださいました。

突然聞こえた日本語に、一瞬頭がついて行かず、振り返ると、それはソプラノの豊嶋起久子さんでした。なんという幸せ。

やはり北九州市文化大使でいらっしゃる豊嶋さんをウィーンで紹介して頂いて、その後、1~2回お目にかかったくらいだと思います。どのくらいぶりでしょうか?

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その再会した、とある場所で、「北九州市の文化・芸術振興」についての話を伺い、それから、近くで人に会う約束があるということで、一緒に出ました。

“これから会うというその方は、ウィーンの有名日本人の3本指に入る方なんですよ、たまたまばったり再会してね‥”と3分くらい歩く中、豊嶋さんが説明してくださいました。

ウィーンの有名日本人? そういうのがあるのか‥と感心しましたが、ま、ありますよね。例えば、小澤征爾さんとか‥?

さて、私たちを待ち受けていた、その有名人の女性はYOKOさん。

神戸のご出身だそうで、元気な関西イントネーションの素敵な女性です。

良かったら、と私もお茶をご一緒させて頂くことになりました。

で、このYOKOさん。なんと、小澤征爾さんがウィーンで音楽監督をしていらしたときに、お食事を作ってらしたそうなのです。

いろんな裏話や、ほかの話も今まで聞いたこともないようなお話ばかりで、目が大きく開きっぱなしでした。

小澤さんと言えば、「ボクの音楽武者修行」の主人公だし、オペラ座でも何度も聴ける幸せに恵まれたし、まだ文化庁のオペラ研修所で学んでいたころ、ブラームスのレクイエムで、コーラスを歌わせて頂いて素晴らしい体験をさせて頂いたのを思い出します。

お客様の期待で一杯のホールの中、小澤さんが舞台の上に姿を見せると、大きな拍手が沸き起こります。

小澤さんは指揮台へとまっすぐ進んで上がり‥そしてここらから奇跡の連続。 

タクトを下すその前に、魔法をかけたみたいに、今まで目の前にいたマエストロが消えてしまうんです。

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そこに立っているのは、本当にこの世に生きている人なのかと思うほど、どこか違う世界の人になってしまわれるのです。そして、まったく違う次元から最初の音が紡ぎだされる‥いつも、そんな演奏でした。

留学する前に、この体験は言葉では言い表せないほど貴重でした。

あの小澤征爾さんがウィーンで音楽監督を務められたその裏で支えたお一人がこのYOKOさんなんですね。思わず、感謝したくなりました。

小澤征爾さんのような偉大な方でも、ウィーンというところで、初めての日本人の音楽監督をつとめられるのは、容易ではなかっただろうと、察します。

そのYOKOさんが語ります。

「この時間にしてっていうのでその時間に食事を用意して、はい、準備できましたっていうやない?そしたら、ぼくは勉強がありますから、っていいはるやん。せんせ、ご自分でこの時間っていいましたがっていうとな‥」

常に、「勉強、勉強」とおっしゃっていたそうです‥

豊嶋さんに声をかけて頂いて、YOKOさんに会ったこの日、本当は、ウィーンに出てきたんだから、夏の靴のセールを見に行こうなんて、考えていたのです。

ですが「ばったり」マジックで、またかけがえのない学びをさせて頂きました。

本当に不思議です。

みなさまも良き出会いに恵まれますように

森野由み


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7月のお便り

親愛なる、みなさま

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すっかりご無沙汰していてごめんなさい。

5月の終わりから、おとといまで日本にいました。私の出身地、北九州では大規模な水害で大きな被害が出ましたが、日本公演も予定どおり行うことができました。

被害に遭われた皆さまには、謹んでお見舞い申し上げます。

さて、この間、ゆっくりとみなさまにお手紙を書けなかったこと、大変申し訳なく思っております。

日ごろウィーンの郊外で、のんびりと過ごしている私にとって、日本でのテンポの速い生活は刺激も宿題も多く、はっと気づくとすでに1日は終わり、うかうかしているともう次の日、という感じで時間が過ぎて行きます。

あのテンポで生活していらっしゃる皆様はすごいです‥!

さて、今回の日本への帰国便は、パリ経由にしてみました。

ヨーロッパの空港の中でも複雑度ナンバー1というフランスのシャルル・ド・ゴール空港での乗り換えは極力避けていたのですが、去年あたりからひょんなことで始めて、お気楽な趣味になったフランス語でコーヒーを頼んでみたくなったからです。

旅行者フランス語も復習万全で、ワクワクしながらウィーンからパリに飛んだわけですが、日本行きの乗り換えターミナルには、夢に描いていたようなお洒落なカフェなど、なし!

イヴ・サンローラン、バーバリー、ディオールといった高級ブティックは軒並み並んでいるというのに、カフェがないんです。

小さなウィーンの空港でさえ、デーメルのような老舗が出しているカフェからモダンなカフェまでたくさんあるので、パリにはさぞかし素敵なカフェがあるかと期待していたのですが‥

やっとのことで見つけたのはなんとスターバック。

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お腹も空いていたので、仕方なく、コーヒーとちょっとした食べ物を注文しようとお店に入って、待つこと約15分。

そんなに長い行列でもないんですが、お客さんが途中で割り込んで来ては、店員さんに何やら質問して、店員さんもそれに対応するので、なかなか順番が来ません。フランス風なのかな‥?

ずいぶんのんきというか、やっと順番が来た時には、ほとほと待ちくたびれて、コーヒー一杯のみを旅行者英語で頼んで、すごすご退散しました。

さて、日本からの帰り。行きは、待ち時間にお腹が空いても何も食べられなかったので、日本からしっかりおやつを手元に準備しました。

でも、ウィーン行きの飛行機を待つターミナルには、パン屋さんがありました!

きゃあああ‥これは思いがけず、嬉しい限り!日本にいた間、一度しか思い出さなかったフランス語の旅行者手引きを頭の中で開いて、いざ出陣!

めでたくカフェオレとアメリカンコーヒーとクロワッサンなどを頼め、今回の旅行の目的を果たせてとても満足でした。うふふ‥

時間がまだあったので、その後インフォメーションやお店などに行って、◎◎はどこですか?とか◎◎はありますか?とか、◎◎に行きたいのですが‥などと質問してみたりしました。

本場のフランス語、早口で暗号のように聞こえましたが、それでも知っている言葉もたくさんあって、気分よく、またせっせと趣味に励む気になってオーストリアに戻りました。

また書きますね。

森野由み


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5月のお便り

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親愛なる、みなさま

お天気がおかしいです!!

4月に入っても、時々雪がちらつくことがたまにあるのですが、先月末、びっくりするほどの大雪に見舞われました。

朝起きてみたら、目を見張るほど変わってしまった外の風景にびっくりしましたが、あまりに珍しいので、ビデオなんてとってみました。

このビデオを撮った時は、まだ世界は普通に思えたのですが、これから後も雪はぼてぼてと降り続けました。

この日の夕方から私はウィーンでリハーサルだったので、のこのこ出かけたのですが、さすが雪国、少々の雪でも電車は普通に動いていました。

用心のため1時間ほど早く出たので、ウィーンについてから、練習に行く前に、ゆっくりコーヒーを飲んだりしました。

リハーサルでは、“この雪の中をよくぞ出てきた”と、特別なおほめの言葉を頂き、なぜか得した気分になりました。

田舎が雪でも都会のウィーンでは降っていないことも多いのですが、この日は、ウィーンの街の道にも雪が積もっていました。

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帰りもすんなりと乗り換えの駅まで帰って来ました。

乗り換えるつもりの電車が5分遅れになっていましたが、そのくらいどうってことないなと思って、ホームで電車が来るのを待っていました。

すると“◎◎行きの電車はキャンセルとなりました”とアナウンス。

え?今のは私の乗る電車のこと?

掲示板を見るとそれまで「5分遅れ」となっていた電車が消えています。

そのキャンセルの電車はこの日の最終電車の一本前。告知をみると、1時間後に来る予定の最終は「予定通り」。

‥じゃあ、1時間待つか‥と思ったものの、これは確かめた方がいいと思い、ホームを離れて駅員さんがいると思われる事務所へと動き出しました。

と、急に後ろから声をかけられました。

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“君、どこまで行くの?僕○○まで行くんだけど‥”

“え、私もそうなの。でも次のを待とうかと思って”

“来るか来ないかわからないよ。よかったら、一緒にタクシーで帰ろう。”

せっかくなので、その男の人と一緒にタクシーでめでたく、帰って来たのです!

が!

降り続ける雪で、場所によっては腰の高さまで雪が積もっていて、家の前の道から家の中へたどり着くのに往生しました。

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歩いているのか、雪の中を泳いでいるのかわからない感じでした。

木の枝も、雪の重みでぞっとするほど下に垂れ下がっていて、見るに耐えられず、傘で枝の上の雪をのけたりしながら歩きましたが、あっという間に雪だるまみたいになってしまいました。

この日から丸二日間、とにかく降り続け、この付近では被害も出ました。

5月に入ってからも冷たい日が続き、今週初めも夕方はたったの7度という日もありました。

それでも昨日、今日と素晴らしくいいお天気になり、いつもの間にか伸びていたもみの木の枝の新しい新緑に気が付きました。

週末はまたお天気が崩れるそうです。

5月と言えば、1年で最も美しい月なのですけどね・・・

それでは、また。

森野由み


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4月のお便り

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杏子の花が咲き始めました。

皆さま、いかがお過ごしですか?

お庭のいたるところに、可愛いスミレが咲きだしたと思ったら、どんどんと辺りは春一色になりつつあります。

先月のドイツへの旅行に引き続き、このたびイタリアにも行ってきました。

時間をとって眺めた街は、これまでに訪れた時とは違う顔を見せてくれた気がします。

最初のうちは、街のあちらこちらにある芸術品や、昔の偉大な人々の息遣いを感じることが出来る足跡を追ったりするのに夢中でしたが、そのうち、そこで暮らしている人たちの様子に興味をそそられました。

そして、私は、自分の大きな間違いに気づきました。

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ドイツ人は非常にまじめで、「はい」「ない」の二つしか答えがない頑固者、イタリア人は、声が大きく、よく言えばおおらか、下手するとおおざっぱ‥そんなイメージを勝手に抱いていました。

ですが、今回の訪問を通じて、意外な面を見た気がしました。

ドイツ人‥行ったことろはミュンヘンでしたが、ミュンヘン人は非常に陽気で元気な人が多かったです。

お年寄りもとってもパワフルで、見ていて楽しくなりました。知らない同士でも隔たりがない。初めから仲間同士のようなそんな感じでした。

ウィーンでは、最近急激に増えた異文化の外国人は、こちら側の習慣や文化に対して、礼儀を示すことは不可能なのかな、と思うことも良くあるのですが、ミュンヘンではごく普通に礼儀正しかったです。

できないわけではないのか‥とつい思ってしまいましたが、そこにはミュンヘンらしさを失わない社会の強さがあるのかな、とも思いました。

イタリアのヴェネチアでは、イタリア人のもつ繊細さにふれた気がしました。

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小さなもの、細かいものを愛でて、それを称賛する心があるからこそ、日常の中で才能が芸術となり、発展したのかもしれないなと思いました。そして、そこには超人的な熱いエネルギーが溢れているのだとも思いました。

建物のモザイクの床ひとつにとっても、歩いたら行けないんじゃないかと思うほど凝ったものだったし、椅子もこれ以上使わないようにしきゃとも思いましたが、それらを作った人たちの作業するエネルギーと時間を思うと気が遠くなるほどでした。

いつだったか、私の先輩が、「旅は人だよね」とおっしゃっていたことがあります。正直言うと、鐘がカーンと鳴るようには、その意味が浸みこんできませんでした。‥?って。

確かに、旅先では旅ならではの思わぬ出会いがあります。

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ベルリンで電車に乗っていた時には、前に座っていたお二人が1枚の巨大なクッキーを取り出して、分けながら食べていた様子が微笑ましいなあと思っていたら、「あなたもどう?」なんて分けて下さろうとしたり(丁寧にご遠慮いたしました)、ボンのベートーヴェンハウスでは、そこにいた監視員の方からどうしても歌ってほしいと言われて、前日に歌ったモーツアルトのオペラ「魔笛」の中からひとフレーズ歌ったのがきっかけで、お友達になったり、そういえば、母と叔母はウィ―ンのクリスマス市で、身も知らない、それもちょっと浮浪者っぽい人に焼き芋をもらったりしていましたっけ。あれはクリスマスならではの「隣人への愛」の表れだったのでしょうか???

いずれにしても、今回ゆっくり旅をして、そこに生活する人たちの横顔、そこに根付く文化・習慣と人との繋がりをすごく感じて、「人ゆえ」生まれるものに目が向いて、新しい面が開けたような気がしました。

そしてその「人」と自分がつながることを考えよ、というのが、その先輩のおっしゃりたかったことなのだろうな、なんて思うこのごろです。

みなさまは、どうお考えになられるでしょうか?

森野由み


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3月のお便り

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親愛なる皆さま

いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

日本は早くも花粉が飛んでいるそうですね。

こちらも、お隣の池にはっていた氷がとけ、春を感じる頃となりました。

先日、オーストリアとドイツの国境近くでコンサートがあったので、足を延ばして、ドイツのニュルンベルクとミュンヘンまで行ってきました。

これまでも何度も通った街ですが、公演やオーデションで寄るというのが、もっぱらだったので、なかなかゆっくり街に繰り出すということもなく、寄った回数の割には、街を知らないというのが事実です。

今回の旅では、素敵な、そして面白い体験をしたので、別に旅行記を書いて、できれば近いうちにHPに載せてみようかな・・と思っています。

私は日ごろ、YAHOOなどのフリーメールのアドレスを使っているのですが、最近、旅先のホテルなどのコンピューターを使って見ようとすると、セキュリティーの関係で、はじかれてしまい、フリーメールのアドレスにはアクセスできず、メールチェックができません。

辛うじて見ることができるのはフェイスブックですが、これもコンピューターによっては、見れたり、見れなかったり。ホテルのコンピューターの前で、頭の中を「??印」で一杯にしながら、長々と座っているわけにもいかず、これが最近の悩みの種でした。

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先日、日本に帰っていた時に、弟がiPadなるものをプレゼントしてくれました。使いこなせているわけではありませんが、それでも便利です。

写真もビデも撮れるので、ますますいいなと思い、今回の旅に持って出ました。

早速着いた先で、iPadを出して街の様子を写真などに撮ってみたりして、これでコンサートの様子も撮れるな、と思っていた矢先‥次の日、モニターが真っ黒で、うんでもすんでもないのです。

ちょっと前に自宅で、メインに使っていたコンピューターもモニターが真っ黒になってしまって、結局そのまま旅に出てきたので、「え、また?」っと、ゾッとしました。

寒いのにiPadを取り出して写真を撮ったのが原因なのかなあ‥といろいろ考えましたが、どうしようもできず、ただただ、せっかくのプレゼントのiPad、ちょっとしか使わないで、もう壊してしまったと、がっかりしました。

結局コンサートの写真も撮れず、ホテルに帰って来て、またスイッチを入れたのですが、やっぱり真っ黒のままで、メールチェックもできず、便利なものも使えないとなると、持っていなかったとき以上に困るような気がしました。

人生、iPadより大事なものがたくさんあるんだから、と自分を励まし、動かないiPadはトランクの中にしまい、計画していた旅に出ました。

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ニュルンベルクでは、訪れてみたかったアルブレヒト・デユラーの住んでいた家を訪れました。

知っていらっしゃる方は少ないかもしれませんが、史上初めて、「自画像」を描き、自分の作品にこれまた初めてサインを入れた人です。

大学時代に取っていた「美術学」の授業中でその名を知ってから、非常に関心を持っていた芸術家の一人で、画家であり、錬金術師でもあります。

で、このニュルンベルク= 焼きソーセージで有名なところ = にいる間に、コンピューターのお店があったので、ふと立ち寄って、なんとかできないか訊いてみました。

修理するとなると、びっくりするくらい費用が掛かるということがわかり、ますますショックが大きかったですが、お店の人が、「時々そんなことあるよ」と
一つアドバイスをくれました。

日ごろは同時に押すことのないボタン二つを同時に、少し長めに押す、というのです。それでだめなら、修理だね‥

ということで、この日、ホテルに戻ってから、祈るような気持ちで、この二つのボタンを押したわけです。

すると‥きゃあああああ!!電源が入った!
この時の嬉しさと言ったら!

一息に世界は再び幸福のバラ色に戻りました。

近いうちに旅行記載せますので、良かったら読んで下さいね!

では、素敵な春をお過ごしください。

森野由み


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2月のお便り

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親愛なる皆さま

いかがおすごしでいらっしゃいますでしょうか?

1月はほんの少しの間日本で過ごし、凛とした梅の香りに、春を感じてかえってきましたが、こちらでは雪と氷に覆われた道を歩いています。

日本も結構寒いなと思っていましたが、こちらの冷たさは肌から浸みて、骨にまで届きそうです。

日本から戻って来た次の日、1月に入ってすでに始まっているマンドリンオーケストラの練習に参加する予定になっていたので、日本から帰ってきましたと、指揮者に電話を入れたところ、“お帰りなさい。待ってましたよ。でもこんな冷たい天気の中、出てこなくていいよ。また次回でいいから”と予想もしないことを言われました。

ところがこれまた思ってもなかったのは、なぜかすんなりと“ありがとうございます!”と言葉が出て来てしまったことで、晴れて練習はお休みさせて頂くことになりました。

寒いから出てこなくていいよと言ってくださるあたりが、オーストリア風。ああ、帰って来たんだな、と思いました。が、この私の反応は???これもまたオーストリア風‥?

練習がなくなったので、本当に寒いし、時差ボケがあることは間違いないわけだし、「冬眠モード」で残りの週日を過ごすことにしました。
私はきっと自分を甘やかすことにかけては、天才ではないかと思います。

日本から持って帰って来たトランクの中身もゆっくり片づけているつもりになってみたり、久しぶりに本を読んでみたり、映画を見てみたり、ちょっとだけ散歩に出てみたり‥

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そんな風に気ままに過ごしていたら、週末から太陽が顔を出して、暖かくなりました。庭や道を覆っていた雪や氷も解け始め、私もそろそろ新しい週にむけて、冬眠モードから、目覚める時がやって来たようです。

オーストリア風‥ということでもないのですが、ドイツ語では、独特の数字の読み方をします。

例えば35 だったとすると 5と30 という言い方をします。まずは1の位を言ってそれから10の位になるんです。これに100の位がつくと、まずは100の位を言って、1の位、10の位となります。135なら 百、5と30というう風に言います。

この後ろからひっくり返ってくるのが結構ややこしくて、日本に帰ると3回くらい考え直さないと、声に出して読めません。

で、日本からこちらに帰って来た時も、また心して数字は読まないと、??なことになります。

先日、用があって、日本に電話をしました。

伝言である方の名字を伝えたかったのですが、無意識のうちに、文字をひっくり返していたようで、「はしもとさん」がいつの間にか、「もとはしさん」になっていて、電話の相手の方をかなり混乱させてしまったようです。

ひっくり返るのは数字だけで、文字まですることはなかったのですが・・・冬眠モードから覚めても、頭の中はまだ日本語とドイツ語を行ったり来たりしています・・

森野由み


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1月のお便り

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親愛なる皆さま

明けましておめでとうございます!

こちらはキーンと澄んだ空気の中、元旦を迎えました。

雲ひとつない、素晴らしく晴れ渡った空に輝く太陽は、新しい年への希望をより明るく照らします。

冬はどんよりした空が続くことが多いので、この清々しいお天気は大きなプレゼントとなりました。

ヨーロッパは非常に大きな問題を抱え、これが、今年、どう動いていくのか、よくわかりませんが、一つしかない地球、この惑星の上で命あるものすべてが、平和な世界を築いていけたらいいのにな、と願ってやみません。

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民族によっては、求める「平和」が違うのかもしれない、ということも考えざるを得ない出来事がたくさんありますが、でも、私たちが「地球」と名付けた「惑星」に住む生命体のひとつであるということを考えたら、少し視点も変わってくるのではないかという気がします。

宇宙からみれば、きっとありんこより、砂の粒より小さいであろう存在の私に何がきでるのか、よく考え歩んでいきたいと思います。

さて、こちらでは1月1日の元旦のお祝いが終わって、2日からごく普通の生活に戻っていますが、1年の始まりにつきものの、「ラッキーグッズ」が出回っています。

1年の運を占うのに、おなじみのホロスコープばかりでなく、鉛を溶かしてそれを水にいれて、できた形が何かで、今年の運勢を占うというのもあるし、ぶたのぬいぐるみや魔女の人形も幸運を呼ぶと言われます。

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私も知人から、マジパンでできた「きのこ」と「煙突掃除やさん」を頂きました。

初めてマジパン人形をもらったのは、ずいぶん昔にハンガリーでオペラ公演があった時でした。

砂糖でできた飾り物だろうと思い込んでいたので、ずっと飾った状態で、今も飾ってあるのですが、とうとうかわいそうな色になってしまいました。このマジパン人形が食べるものだと知ったのは、実はごく最近なんです。

で、今年は、せっかくのラッキーアイテムなのだから、食べて「ありがたい」を体に取り込もうかと思っています。

ただ‥キノコの方はまだいいとして、煙突掃除屋さんはどうやって食べるか。
できればせめて二つくらいに切り分けて食べたいところですが、むむむ‥どう二つに切るか‥そんなことを思いあぐねていたら、1日、1日と日が過ぎて行ってしまうわけです。

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みたところ、賞味期限は今年の7月となっているので、まだ時間はあるわけですが、縁起物ですから、早ければ早いほうがいいんだろうなあ、と思ってはいます。

新年早々、思いがけない悩みを抱きましたが、まさにこんな悩みこそ、宇宙からみれば、存在しないようなレベルのものだろうな、と思うと、自分で笑えてきます。

新しい1年が、みなさまの笑顔で溢れた年でありますように!!

願いをこめて‥

森野由み


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